人生に役立たない占星術と、人生に役立つ占星術

私は現在、現代西洋占星術を学んでいます。

その目的は、個人が持つ資質や人生の可能性を読み解くこと、さらには恋愛や結婚における相性を知ることにあります。
また、未来予測においても運気・運勢を伝え、想いの実現のサポートも考えています。

最終的には、学んだ占星術を心理カウンセリングと融合させることを目指しています。
したがって、私が行う占星術は、あくまで「個人」に焦点を当てたものです。

さて、ここで一つの問いが生まれます。

「人生に役立たない占星術」は存在するのでしょうか?

もし存在するのであれば、それは同時に「人生に役立つ占星術」がどのようなものかを照らし出す手がかりになるはずです。

人生に役立つ占星術と役立たない占星術、その差を分ける理由について

人生に役立たない占星術

これは占星術に限らず、占い全般に言えることですが、「人生に役立たない占い」は確かに存在します。
では、なぜ占星術が「役に立たない」とされることがあるのでしょうか?

その最大の理由は、人が置かれている生活環境に起因します。

たとえば、生きることだけで精一杯な人々、希望を持つ余地のない環境、あるいは人生に選択肢がほとんど存在しない人々にとっては、占星術の結果は何の意味も持たないのです。

具体的な例を挙げてみましょう。

・紛争地で命を守るために逃げ回る人々。今日をどう生き延びるか、それがすべの人達

・水不足の地域で、生活の大半を水汲みに費やす人々。彼らにとって、水を得ることが命そのものであり、それ以外のことを考える余裕はありません。

・極度の貧困により、生きることだけで精一杯な人々

等々。


このような環境にいる人々に、「明日は太陽が木星の上を通過するので運気がアップしますよ」といった未来予測を伝えても、何の価値もないのです。

また、たとえ彼らの持つ資質や可能性を占星術で分析したとしても、その結果を活かせる環境が整っていなければ意味はありません。
生きることで精一杯、自分自身の未来を思い描くことすら難しいのです。

さらに、親が結婚相手を決める習慣が残る地域においては、自由恋愛が許されず、親が決めた結婚相手と暮らすしかない地域では、相性占いも意味をなさないでしょう。
また、このような地域には、男尊女卑的な風習が今なお根強く残っていることも多く、相性等の考え方すらないかもしれません。

このように、生きることで精一杯な環境、人生の選択肢のない環境においては、占星術は「人生に役立たない」ものとなるのではないでしょうか。

たとえ、占星術の結果が妥当であったとしても、彼らには、その結果を受け入れる余裕はなく、占星術は無用なのです。

人生に役立つ占星術

それでは、「人生に役立つ占星術」とはどのような環境において有効なのでしょうか?

重要なのは、人生における選択肢を自らの意志で行使できる環境にあるかどうかです。

言い換えれば、基本的人権が守られ、治安や生活基盤がある程度整っていることが前提になります。

このような環境では、自分の資質や可能性に基づいて進路を考えたり、恋愛や結婚の選択を見直したり、未来予測を活用して計画的に行動したりすることが可能になります。

たとえば

・才能や性格傾向をもとに、将来どのような方向に進めばよいか可能性を考えることができる
・恋愛や夫婦関係における相性を通して、自分と相手との関係性を見つめ直すことができる
 自由意思に基づく結婚、離婚の選択肢がある
・運気の良い時期を知り、その時に向けて準備や行動を起こすことができる

仮に現在、経済的に苦しい状況にあっても、「将来的な可能性」や「人生の選択肢」がある社会であれば、占星術の結果が希望につながることも多々あるでしょう。

これは、「生きることが保証されている」、「基本的人権が遵守されている」からこそ可能になるのです。

したがって、たとえ生活に余裕がないとしても、生きることへの最低限の保証があれば、人は自分の未来について考え、行動し、チャレンジする機会を得られるのです。

チャレンジする時こそ、占星術はその力を大いに発揮するのではないでしょうか。

占星術(占い)が人生に役立つかどうかは、その人がどのような環境に生きているかに大きく左右されます。

基本的人権が守られ、選択肢を行使できる社会においてこそ、占星術は真に人生に役立つものとなるのです。

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