火・地・風・水の4つのエレメントと、活動・不動・柔軟の3つのクオリティ
西洋占星術のホロスコープを読み解く上で、まず基本となるのがエレメント(4区分)とクオリティ(3区分)です。
これらは、12星座より、あなたの性質や行動パターンをざっくりと把握するための便利なツール。
今回は、この2つの分類法が私たちの性格や行動にどう影響するのか、具体的な例を交えながら考えていきましょう。

Index
1.4つのエレメント:生まれ持った「気質」
2.3つのクオリティ:行動の「エンジン」
3.私のエレメントとクオリティの検証と「解釈」
4.西洋占星術は「多角的な視点」が大切
1.4つのエレメント:生まれ持った「気質」
エレメントは、12星座をそれぞれ3つずつ、4つのグループに分ける分類法です。
各星座に星が入っていれば、点数を加算させていき、どのエレメントが強いか、弱いかの判断を行います。
(クオリティ)も同じ。
エレメントとは、私たちが生まれ持った本能的な「気質」や「性質」を表します。
a)火のエレメント(牡羊座、獅子座、射手座)
燃える炎のように、情熱的で直感的なタイプ。
新しいことに果敢に挑戦し、目標に向かって突き進むエネルギーに満ちています。
思い立ったらすぐ行動するため、周囲を巻き込む力も強いでしょう。
b)地のエレメント(牡牛座、乙女座、山羊座)
大地のように、現実的で堅実なタイプ。
五感を重視し、目に見える形や結果を大切にします。安定を好み、じっくりと物事を進めるので、地に足のついた安心感を与えます。
c)風のエレメント(双子座、天秤座、水瓶座)
風のように、軽やかで知的なタイプ。
コミュニケーション能力が高く、論理的に物事を考えます。
客観的な視点を持ち、広い視野で社会や他者と関わることを得意とします。
d)水のエレメント(蟹座、蠍座、魚座)
水のように、感情豊かで感受性豊かなタイプ。論理よりもフィーリングを優先し、他者の気持ちに深く寄り添うことができます。
人間関係を大切にし、豊かな内面世界を持っています。

2.3つのクオリティ:行動の「エンジン」
クオリティは、12星座を4つずつ、3つのグループに分ける分類法です。
これは、私たちがどのように行動を起こし、物事を進めるかという「行動特性」を表します。
a)活動宮(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座)
物事の始まりを司り、自ら積極的に行動を起こすタイプです。決
断が早く、目標に向かってまっすぐ進みます。
ただ、ひとたび動き出すと途中で方向転換するのが苦手な面もあります。
b)不動宮(牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座)
物事を維持し、安定させるのが得意なタイプ。
一度決めたことは粘り強く継続し、簡単には諦めません。
頑固さもありますが、その分、信頼できる安定感があります。
c)柔軟宮(双子座、乙女座、射手座、魚座)
物事の変化に対応し、調和を生み出すのが得意なタイプ。
周りの状況や相手に合わせて臨機応変に動くことができます。
協調性が高い反面、優柔不断に見えたり、持続力に欠けることもあります。

3.私のエレメントとクオリティの検証と「解釈」
ここからは、私のホロスコープ(西洋占星術における天体の配置:ネイタルチャート)を使って、エレメントとクオリティの傾向が自分にどれだけ当てはまるかを検証してみます。
私のホロスコープでは、地のエレメントの星座に天体が最も多く、次いで火のエレメントと水のエレメント。
一方、風のエレメントには天体が1つもありませんでした。
この結果だけを見ると、「文章を書く仕事をしているのに、風のエレメントがないことに対しておかしい」と感じてしまいます。
また、クオリティでは柔軟宮に天体が集中しており、活動宮と不動宮は少なめでした。
柔軟宮が多いという結果は、カウンセラーという職業柄、相手に合わせて柔軟に対応する特性が示されているようにも思えます。
しかし、私自身は「結構頑固なところもあるし、もっと不動宮があってもいいのでは?」と感じています。
納得度が低いのです。

4.占星術は「多角的な視点」が大切
なぜ、このような食い違いが起きるのでしょうか。
それは、エレメントやクオリティの分類は、あくまで占星術の「入り口」に過ぎないからです。
ホロスコープを深く読み解くためには、太陽や月、その他の惑星がそれぞれどの星座に入っているか、ハウスとの関係、アスペクト(天体同士の角度)など、膨大な要素を総合的に分析する必要があります。
たとえば、私のホロスコープで風のエレメントに天体がなくても、文章を書く能力を司る水星が、水星の能力を強化する他の天体と良い角度を形成している可能性も考えられます。
また、頑固さを表す土星や冥王星が、他の天体と関わっているかもしれません。
エレメントやクオリティは、西洋占星術の基礎であり、自分を理解する第一歩として非常に有効です。
しかし、それだけで自分のすべてを判断するのではなく、より多角的な視点を持つことが、西洋占星術を深く楽しむための秘訣です。